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のりじ

Author:のりじ
<家族構成>
お父ちゃん :堅実的なおうし座
お母ちゃん(のりじ) :夢見る魚座
コテツ:ビーグル1997年1月19日出生
弁天:雑種猫 2001年4月頃出生
ひなた:ビーグル2004年9月20日出生

故・武吉:ビーグル1999年4月9日〜
             2004年10月14日

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最期の瞬間 ありったけの愛を (結)
今日で この話も最後です。
長いこと お付き合いくださって ありがとうございました。
今日の話を読んでいただければ、『 最期の瞬間 ありったけの愛を 』 というタイトルの
本当の意味が お分かりいただけると思います。
たった数十分の出来事ですが、細かく 正確に書いていこうと思う お母ちゃんこと
のりじです。 こんにちは。


                   ★     ★


コテツのために買った シニア向けの本に、こんな文章がありました。

「 ヒトも犬も猫も 死の間際、ふっと元気になる時があるんだって。
     言い残したことを言ったり、やり残したことをしたりするために … 」




私が 病院に駆けつけたのは 午前の診察も終わった 静かな お昼過ぎでした。

武吉がいるであろう ケージの前に、スタッフのお姉さんが2人 しゃがみ込んでいます。
ケージの前面には、分厚いビニールのカーテンが 掛けられています。

ちらっと見えたのは 武吉ではなく 他の何か … あざらしのような動物でした。

じゃあ 武吉はどこにいるんだろう、
     それにしても あの子、武吉に 毛の色とか似てる …


スタッフさんが立ち上がって 私のために 場所を空けてくれます。

なんだろう、武吉を連れて来るから ここで待ってろって事なのかな

誰も 何も言いません。
誰かが 「 ぶーちゃん お母さん来たよ 」 と言っているのが聞こえました。

ビニールのカーテンは 透明なのですが、分厚いので 曇ってみえます。

つい好奇心で 中をじっと見ました。

武吉でした。

私の自慢だった スレンダーで引き締まった体は そこにはなく、
腹水が溜まって ボテボテになった体が 横たわっていました。

カーテンをめくって 「 武吉? 」 と声を掛けると、武吉は ゆっくりと 頭を持ち上げました。

私の後ろで 「 えっ? 」  「 うそっ! 」 と スタッフさん達の声がします。

言われなければ 気付かなかったと思います。

そうか、武吉は 頭を上げるチカラなんて 残ってないはずなのか …
                そうだよな、意識不明って言ってたんだから …


私を見上げた武吉の顔は 衝撃的なものでした。

はい、ちょっとここで お手を拝借。
両手を頬に当てて 下にずり降ろしてみて下さい。
口元は軽く開いて 眼球を少し上向きに …

武吉は そんな顔をしていました。

おでこから下が 全部垂れ下がって 白目をむいています。

この時、彼の最後の言葉を聞きました。

「 お母ちゃ … お母ちゃ … おれ … 苦しぃ … 」


「 カーテンで閉め切って 酸素室にしてありますので …。 」

先生が奥から出てきました。
武吉の容体の説明をしてくれましたが、ほとんど記憶にありません。

「 もう 武吉君を助ける薬も 治療法もありません 」

身体が大きくて がっしり頼もしくて いつも楽しげに ニコニコ笑っている 優しい先生が
ポタポタ 涙を落しながら 言葉を続けます。

「 僕はこの仕事をして … 研修医から開業して今まで たくさんの 怪我や病気で
 苦しむ子達を見てきましたが … こんなに苦しがる子を見たのは初めてです。
 本当にすみません。 僕は 武吉君の顔を見ていることが できなかった … 」


「 先生、どうするのが一番いいですか? 」

「 例えば、家に連れて帰ったとしても、この酸素室から出るだけで かなり苦しいと思います。 
 車は こちらで出しますが、おそらく 家に着く前に … 」


「 すみません、ちょっと主人に電話をかけてきます 」



「 もしもし? もしもし?
 武吉がね、 苦しいって …。 楽にしてあげても いいかなあっ 」


落ち着いた お父ちゃんの声が聞こえます。
「 苦しいのはダメだよね。 のりじ、お願いしていい?  大丈夫? 1人で出来る? 」

「 … うん … っ 」




「 先生、お願いします。 武吉を楽にしてやって下さい 」

袖口で目をこすりながら 先生が深々と頭を下げてくれます。
「 武吉君を助けてあげられなくて 本当に申し訳ありませんっ! 」

壁際に ズラリと並んだ スタッフさん達からも すすり泣きが聞こえてきます。

ああ、この人達は 動物が好きで、動物を助けてあげたくて この仕事を選んだんだ。 
ここでお世話になれて 本当に良かった …


武吉のための 最後の準備が始まりました。

スタッフさんが ケージの扉を開けて、武吉を抱き上げようとした時。

武吉は その手を振り切って 私のところへ 歩いてきました。

慌てて しゃがんで、手を差し伸べます。

「なんでっ? 」 「 うそぉっ 」 小さな悲鳴まで聞こえてきます。

その場にしゃがみこんで泣き出すスタッフさん。
両手をクチに当てて見守るスタッフさん。

そうかもしれませんね。
意識不明だったのが 自分で歩いたんですから。

ほんの2・3歩でしたが、まっすぐに 私のところに歩いてきました。

そして 私の腕の中で くず折れてしまいました。
手足が おかしな方向に曲がっています。

私は 家でいつもしているように 胡坐をかいて座り、武吉を膝に乗せました。

「 じゃあ こちらで … 」
スタッフさんが 武吉を抱き取って 他の部屋に連れて行こうとします。

「 えっ? ここで! ここで! 約束を …!

私は以前、 私の膝の上を取り合う 3人の息子達に 約束をしていました。

そんなに ここが好きなら お前ら ここで看取ってあげる


先生も言ってくれました。 「 のりじさんは 大丈夫だから。 ここで …。 」


先生が 心臓を止める注射の用意をしている間、私は ずっと武吉に話しかけていました。

「 ずーっと雨こんこんだったのに 今日は いいお天気だよ。
 お散歩行こうね。 武吉の赤いボールさんも 持っていこうね。
 でも ちょっと疲れちゃったから 少しねんこしてから行こうか …



先生が 武吉の腕をとります。

「 武吉大好き、 武吉大好き! 武吉大好きっ! 」




武吉は 体を綺麗にしてもらうために 別の部屋に 連れて行かれました。

声を上げて 泣いて 泣いて …

部屋に呼ばれて 真っ白なタオルの上に寝ている 武吉を見て、
なんだか嬉しくなって ふっと笑ってしまいました。

彼の顔に手を当てて そっと撫でます。


「 良かった …  もう苦しくないね … 」
                                     武吉 結
                                    たくさんのお花・おやつ・おもちゃと 武吉




ようやく 弔問客も絶え、武吉のために しなければならないことも 全て終えた ある日。

とても天気が良かったので 犬用ベッドを干そうと ベランダに置きました。
部屋の中を見ると コテツと弁天が 気持ち良さそうに寝ています。

ふふっ、誰も来ない … か

陽が当たって 白っぽく見えるベッドを見下ろしながら ぼんやり考えます。


武吉はここで ひなたぼっこするのが 好きだったな …

真夏でも 舌出して ハアハア言いながら 寝てたっけ。
コテツや弁ちゃんが ギブアップして 部屋に入ってきても 武吉1人で 炎天下の中 …。

「 ねえ、体あっちっちーになっちゃうから お部屋に入んなさい 」
「 そんなとこにいたら バカんなっちゃうよ? それ以上バカんなって どうすんの? 」

いくらガミガミ言ったって 嬉しそうな顔して お母ちゃんを見上げてたっけ …


あいつ ホントに ひなたぼっこ 好きだったよなー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





そうだ … 今度 犬飼ったら ひなた って名前にしよう

                                   武吉の木
                                   オリーブの木  別名・武吉の木
                                   この木の下に武吉が眠っています

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最期の瞬間 ありったけの愛を | 08:56:47 | トラックバック(0) | コメント(14)
コメント
あーん(T-T)途中で涙がでてきて見れなくなっちゃったよーぅ!
でも、涙を拭いて 最後まで読みました・・・

武吉くん、辛かったね。でも、頑張ったね。
あなたは、たくさん愛されてたんだよ。
2009-01-13 火 09:45:43 | URL | しゃなママ [編集]
そっか〜、それで、ひなたちゃんが、命名されたんですね〜。
ちゃ〜んと、命のリレーがつながってるんですねe-267

実家のポメラニアンも、入院先の病院で亡くなりましたが、立ち上がれないくらい弱っていたのに、最後の面会の時、立ち上がって、実家の父、母の方を見たそうです。
犬って、ほんとうに、最後に恩をしっかり返してくれるんですね。ちゃんと、ありがとうを言ってからいってしまうんですね・・・。

どうしても、わんこの方が、寿命が短いので、見送る側になってしまいますね。でも、ちゃんと最後まで、見送られていけるのは、幸せですよね。

オリーブの木、すくすくと育ってくれてるとうれしいなぁ〜

2009-01-13 火 12:56:44 | URL | もるぽぽ [編集]
涙無くして読めませんでした(涙)
やっぱり どんなに苦しくても お家が一番なんですね!
コメントしながらも 涙が・・・・・・・・
ひなちゃんの名前は ここからなんですね。 ひなたみたいな子ですか?
2009-01-13 火 16:57:27 | URL | 元気君のママ [編集]
涙 涙 e-317e-263e-263

 可愛いそうでしたね…  でも 武吉くんは 幸せだったよ e-415    今も 天国から じ〜と 見てるよ。
やんちゃな ひなちゃん コテツ君 弁ちゃんを。
2009-01-13 火 19:05:58 | URL | オバチャン [編集]
はじめまして
しゃなママさんのところから飛んできて
起承転結読ませていただきました
仕事サボって読んでたのに 涙止まらなくなってしまいました
武吉くん 辛かったけど 愛されて幸せだったと思います
うちも去年愛犬を亡くしましたが 夜中にたった一人で逝ってしまったので
次は絶対あたしの腕の中で。。。って願ってます
2009-01-13 火 21:44:20 | URL | かなこ [編集]
はじめまして。ぷうこと申します。
アディちゃんのところからやってきて、読み始めてから、のりじさんのファンになってしまいまして、毎日仕事中にこっそり楽しみながら読んでいます。

筆無精なため、コンスタントにコメントを残せないので、書き込みも遠慮させていただいていたのですが、今朝、通勤途中にふと、

そういえばのりじさん家のひなたちゃんやコテツ君の名前の由来って何だろう?

と頭に浮かびまして・・・。弁天君は男の子なのに女の神様っぽいなぁ、今連載中の武吉君も変わった名前だなぁ、なんて考えていたんです。

そしたら、今日のブログでひなたちゃんの名前の由来が書いてあって、
うわぁ、なんだかすごい!と一人で勝手に盛り上がっちゃいまして、書き込んじゃってます。

我が家にもビーグルの家族がいまして(今は実家を出てしまっているので離れて暮らしてますが・・)、現在2代目なんですが、初代はおそらく武吉君と同じ地域にいると思うんですよね。で、そいつポリっていうんですが、たまにテレパシーとか使えちゃうやつなんで(・・・あぁ〜、引かないでください・・・)、武吉君から何か聞いて、こっそり念を送ってきたのかな、と懐かしくて、今日の午前中は仕事が手に付かないありさま・・・(笑)。

武吉君にちょっとプレゼントもらった気分になっちゃいました。
これからも楽しみにしていますね。
2009-01-13 火 21:58:19 | URL | ぷうこ [編集]
お互いにとても愛し愛されていたんですね
とても強い絆です 涙が止まりませんでした
私 これから先に迎えるその時に
こんなに強くなれるかしら...。
武吉君のように幸せにね そう思います
2009-01-13 火 22:40:01 | URL | こーぱママ [編集]
幸せな武吉くん
最期の力を見せてくれた武吉くんや、武吉くんの幸せを優先して辛い決断を下したのりじさんとだんなさん。そして全てを見守ってくれたスタッフさんや先生。みんなの愛を感じました。
2009-01-13 火 22:57:53 | URL | ルパママ [編集]
初めまして^^
起承転結読ませて頂きました
最期を見守る気持ちに涙しました
武吉くんはしあわせでしたね
ありがとうございました
2009-01-13 火 23:17:51 | URL | サスケ母 [編集]
初めまして
いつも読ませて頂いてますが初めてのコメントです。
私もレモンビーグルを飼っていましが、先月一周忌を終えました。
読んでいて途中からは涙が止まりません。
私達の場合、病院から急変の連絡で戻った時には間にあいませんでした・・・
本当に辛い決断だったと思いますが、武吉君は幸せだったと思います。
のりじさんの腕の中で、声を聞きながら楽になれたのだから・・・
武吉君も頑張ったね!!



2009-01-14 水 00:12:26 | URL | はなまま [編集]
起承転結と読ませていただきました。
涙が止まりません。
本当に愛に包まれた最期だったんですね・・・
何年か後の我が家の最期は・・ なんて考えると又涙が・・・
しかし飼い主の役目はきっちり果たしてあげたいと 又改めておもいました。 武吉くんの事を書いて頂いてありがとうございます。

2009-01-14 水 06:22:48 | URL | 金太郎の母 [編集]
> ここを訪れてくださった 皆様へ

たくさんの方に 武吉の話を読んでいただきました。
本当に ありがとうございます。
我が子を 見送ったことのある方、辛かったあの時のことを 思い出させてしまったでしょうか、
申し訳ありません。
まだ そんな経験をされていない方、不安な思いを させてしまったでしょうか、
申し訳ありません。

武吉は 普通のビーグルです。
食いしん坊で やんちゃで 面白いことが大好きな 普通な子です。

そんな武吉が あれほどまでに私を愛してくれたように
今、あなたのそばにいる その子も あなたを愛しています。

もし あなたが、武吉の話を読んで 自分のお子さんを抱きしめてあげたり、
頭を撫でてあげたり、笑いかけてあげたりしてくれたら …
泣きながらでも あの日に戻って 良かったと思います。

最後に、
安楽死を選んだ私に 少なからず 反論のコメントが来ることは 覚悟していました。
ご理解していただけましたこと 心からお礼申し上げます。


> しゃなママ 様

泣かせてごめんよ (笑)
しゃなおなら 武吉の いい舎弟になってくれたのに … 
残念だわ。

> もるぽぽ 様

オリーブの木は 初め 私の足の長さと同じくらいの 苗木だったんですよ。
写真の 緑色のフェンスは、私の胸下くらいの高さ。
切っても切っても ガンガン成長しています。
去年 初めて 実がなりました。 嬉しくて泣けました。

> 元気君のママ 様

そうですね、真夏限定のひなたです。
ギラギラしてます。 熱中症になりそうです。
イメージした時のタイミングっていうのも 影響するものなんですね。

> オバチャン 様

もし 見ててくれてたら きっと こう言ってるでしょうね。
「 コテツ兄ちゃん! もっと その生意気な女に ガツンと言ってやれよ!」

> かなこ 様

はじめまして。
まだ1年ですか、辛いですね。
『 次は絶対あたしの腕の中で … 』 本当に そう思います。
でも 私のように 約束はしない方がいいと思います。
実際 なかなか難しいことです。 私も ひなたには 約束してません。
最後の約束を破りたくはないので。

> ぷうこ 様

アディさんのところで お会いしてましたか、でも はじめまして。
名前の由来ですか、ネタ振り ありがとうございます。
今度 記事の中で ご紹介させていただきます。
テレパシーですか、全然 引きませんよ。 私も時々 聞こえます。
でも、あれって 犬の能力だったんですか。 自分のだと思ってました。
 てへっ♪
ポリちゃんと武吉、仲良くしてるといいですね。

> こーぱママ 様

私だって もし お父ちゃんが隣にいたら、もっとグズグズだったと思います。
いざとなったら 子供のことだけを考えられるのが 母親ってーもんです。

> ルパママ 様

ありがとうございます。
本当に 人も環境も 全てに恵まれていました。
おかしな言い方かもしれませんが、素晴らしい時間でした。

> サスケ母 様

はじめまして。
こんなに ダラダラ長い文章 読んでくださって ありがとうございます。
どんなに望んでも 看取ることができない場合もありますものね。
約束が守れて 武吉も私も 幸せでした。

> はなまま 様

はじめまして。
まだ1年なんですね、状況も似ているんですね。
生々しく思い出させてしまって、申し訳ありません。
『 声を聞きながら楽になれた … 』 ですか。
なんか 泣けてきました。 素敵な言葉を ありがとうございます。

> 金太郎の母 様

ちょうど コテツが シニア世代に入った頃でしたから
見送り方とか 心構えとか 勉強し始めたばかりだったんですよ。
『 治すための治療法が もうない 』 『 痛みや苦しみが激しい 』
この2つに当てはまったら … って。
まさか 年下の武吉に役立つとは 思いもしませんでしたが。
2009-01-14 水 12:13:32 | URL | のりじ [編集]
はじめまして。 愛されていたんですね、武吉くん。
武吉くんの記事、しっかりと読まさせていただきました。 
ほんと壮絶でしたね。 
何を書いていいかわかりませんが、俺が実家にいたころに
飼っていたぺロも病気で若く亡くしたので気持ちがよくわかります。
その反動もあってか我が家は小学生2人とマルボイがいますが、
小学校時代は今しかないし、マルボイもいつかは・・
 
・・なので、今を楽しもう!とおもいっきり犬漬け生活しています。

ありがとうございました。 
2009-01-14 水 19:45:35 | URL | nomikoa [編集]
> nomikoa 様

はじめまして。 
マルボイ君に会ってきました。
素敵なご家族ですね。 幸せを絵に描いたような …。
本当に 『今を楽しんでる』 って感じ!
私も 武吉を亡くした悲しみより 一緒に過ごした 楽しかった5年半の方が
大きかったので、また犬を飼いました。
私も 『今を楽しんでいます』。


2009-01-15 木 10:05:25 | URL | のりじ [編集]
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